[施設で暮らす子どもに里親家庭を]考えるための資料 リンク集
メモー1
児童養護施設は、親の死亡や病気や経済的理由等で実親に育てられない子どもが生活する場所で、近年は児童虐待による入所も増えている。3歳以上18歳までの子どもが入所するのが児童養護施設で、0歳から2歳までの乳幼児は乳児院へという行政の措置がとられている。
メモ−2
里親には、養子縁組里親と、養子縁組を目的としないで子どもを育てる養育里親(制度)がある。養育里親には行政から子どもの生活に関わる若干の費用が支給される。


養育里親制度をご存知ですか?
子どもを守る沢山の星だっ
 養育里親として学んだこと「日本の児童福祉」第17号(2002年7月発行)
  (>「シドさんの里親のホームページ」 ) を読んで

  こういう表現の仕方は不謹慎かもしれないが、この手記は、乳児院や養護施設での子どもの育てられ方を通して、子どもが人として育つためにはなぜ「家庭」が必要なのかを逆照射しているという観点からも、非常に面白く読める。
 本当にショックを受けた。「愛着障害」というのを初めて知り、理解できた。

 乳児院や養護施設での生活の仕方を通して、子どもが育つために「家庭」の機能がどれだけ重大なのかが、あぶりだされるなんて。

行政による構造的なネグレクトというのが、確かに存在するのだとも。これは施設の個々の職員さんが頑張っているかどうかといったこととは別に、乳児院や施設という制度から構造的に生じる問題である。
シドさんの里親のホームページ は、里親制度や乳児院について、ありとあらゆる情報を網羅した個人サイト
Mariaの独り言(養護施設は子どもの地獄) 「親が育てられない子どもは、施設ではなく里親家庭で育って欲しい」と訴えるMariaさんのブログ (05,10,20追加リンク)


  [乳児院について]
「乳児院の部屋」 (乳児院職員が開設。リンク切れ/2011,2)
「子育て支援*無料相談サイト/まきさんの子育てSOS」
乳児院という選択について/まきさんの手紙

宇都宮事件を考えるサイト
02年11月 栃木県宇都宮市で、乳児院から引き取った里子の大沼順子ちゃん(3)が泣きやまないことに腹を立てた里親(妻)が顔などを手で数回殴り死なせた容疑で逮捕された事件
私の雑記帳/「宇都宮里親傷害致死事件を考える」緊急集会の報告(>日本の子ども達
021208 K(このページの管理人)が緊急集会に行った時のスケッチ◇その1 その2 資料97/10/27 中央児童福祉審議会家庭福祉部会議事録 (リンク切れ)


 [短期里親] 「養育里親]

東京都(その他の県)には、養育里親制度のほかに、児童養護施設で育つ子どもに「家庭」を経験してもらおうという短期里親の制度がある。週末や夏休みや春休みなどの短期に児童養護施設の子どもを預かる

 かれこれ10数年前(1980年代後半)、私は地域(都内)の公民館のパンフレット類の中にあった都の里親募集のパンフレットで、実際に、以下のような説明文を目にした。

 施設以外の生活を知らない子どもが一般の家庭に行くことで、初めてお金を使って買い物をするという経験をしたり、普通の家のお風呂が狭いことに驚いたり等の色々な経験をつめます、と。

 さすがにこういったことは現在(2004)のパンフレットには書かれていないし、パンフは児童館にも(子どもだけでなく乳幼児を連れた大人も来る場所なので)置かれるようになった。

 私と同年輩で、物心ついたときから施設で育った養護施設出身者は、退園する年齢になり施設から社会に出たとき、普通の家の台所のガスのつけ方も、三角コーナーが何のことかも、電車の乗り方、切符の買い方も知らなかったと、生きていくのに必要な生活の常識が何も身についていなかったことに気がついて愕然としたことを語っていた。
 養護施設での生活で、「施設に学校の友達を呼べない(呼んではいけない)→自分も友達の家へ行かない」。すると、他人の家に遊びに行った時に「こんにちは」、その家の家族がいたら「おじゃまします」と声に出す、帰るときにも「おじゃましました」と挨拶するといった経験をすることのない子ども時代をすごすことになる。ある程度、一般の家庭で育った後に一時的な入所として養護施設で過ごす場合や、夏休みや正月に実家や親戚などのに帰省して生活できる場合はまだしも、物心ついたときから施設で育ち、施設以外での生活を知らないというのは、18歳になり施設を出てひとり立ちするときに、そうとうに欠落したものをもって社会に出て行くことになったとも。
 養護施設で朝昼晩と「給食」のような食事が出されて食べる。普通の家庭のように、食べた食器を洗ったり、おかずの残り物をタッパに入れたり皿にラップして冷蔵庫にかたずけるといったことを経験したことがないまま成長する子どもをさして、「施設坊ちゃん」「施設嬢ちゃん」というとんでもない業界用語(!)が生まれるのだと理解できた。
 養育里親制度が知られ、広まってほしいと願わずにいられない。
 ---追記---------
いやしかし「常識を育てる」という点については、今は「一般の家庭」もかなりあやしい。常識がどこまでの範囲なのかわからない。例えば、都内に住みながら出かけるときは親の車でどこにでも連れて行ってもらうので、電車に乗ることが滅多になく、中学(公立)のグループごとに移動する社会見学で、初めて電車の切符を買ったという子どもが、もはや珍しくない。私は中学校のPTA役員をやったが、「そういった子は今やどこにでもいます」と副校長先生は言われた。
 私は一人暮らしのときでも新聞をとるのは当たり前の生活だと思っていたが、公園ママ友達で「節約のために新聞をやめた。」「もともと読んでない」という人も珍しくなかった。
 ただやはり、家にいれば、時にはセールスや宗教の勧誘の訪問や電話があり、そういう時、親(大人)がどういう対応をするかを子どもに見せるというフツウのことが大事なのだと思うようになった。そういった些細で面倒な日常の些事から子どもが離されて育つのは養護施設だけでなく、寄宿舎や寮生活なども同じだろうが、「私立の中学・高校生生活を寮で送ったが、寮生が『世間知らず』にならないために新聞やTVのニュースを見る時間が設けられていた」という話も聞く。ある養護施設出身者が18歳で施設を退園する際の就職の面接で「今の総理大臣は誰か」と聞かれて答えられなかったという話があるが、それは彼(彼女)が施設で新聞を目にする機会がなかったことと、TVは皆で一日1時間までと決められていたので、小中高生の皆でマンガやバラエティ番組しか見たことがなかったためだという。


 [児童養護施設]

児童養護施設の部屋(リンク切れ/2011,2 施設職員のまるちんさんの個人サイト。)
がんばれ!養護施設出身者 児童養護施設出身者Edward さんの個人サイト
児童養護施設に関する情報を網羅した個人サイトです、個人サイト。公共サイトじゃありません。個人サイトということを強調しておきます。個人サイトというところはあくまでも「自分が言いたいことは誰も代弁してくれない、自分で言うしかない」という個人が作ったサイト。

(だから「養護施設出身者は皆が皆、施設に対してこういう意見だと思われても困る」という方がいても全然おかしくないし、出身者は一枚岩だとも思ってない。一個人が自分の言いたいことを言うために作ったサイトだと認識している。個人サイトというのはそういうものだ。)
↑以前、私はあるボランティアの学生さんが集まるサイトに行った。そこのBBSで、話の流れから、「がんばれ!」のURLを書いてきたところ、「がんばれ!」を閲覧された大学生の女性の方がすごいショックを受けて − 同じ豊かなはずの日本で、こんなことが起きていたなんてと初めて知り、ショックを受け − もどってきて、BBS上で彼女を皆で慰めるというレスが続いたことがあった。ショックを受けるのはいい。しかし影響されすぎないでと皆思ったのだよ。
 たとえていえば、Edward さんが「施設へのボランティアは迷惑」と書いたら、彼女は「そうか、迷惑だったんだ」と、ひれふして納得し、ボランティアを止めてしまいかねないようなところが心配されたので。
 児童養護施設職員の友達にたずねて、自分でもこんなWEBページを作った。
がんばれ!児童養護施設職員
養護施設にボランティアが入ることで、虐待が明るみになったケースもあるので、ボランティアについてはケースバイケースだろう。02年秋に茨城県の筑波愛児園で、ボランティアが施設内で起きていた虐待を知り、それを弁護士に通知したことにより、その実態が世間に広く知られ、施設の運営の改善につながったニュースがある。
 ■現在の東京都の養育里親制度はほっとファミリー>東京都保健福祉局 週末などの短期の里親はフレンドホーム制度

2004/11/27
2010/07/04 追記
2011/02/26 リンク直し
k's   page - 2 (このサイトの表紙)
2011/12/11リンク直し
タイガーマスク現象に思うこと
虐待が疑われる家庭をみかけた場合について
ランドセルをアフガンに送るの記
「育たなかった子どもたち」の実験は 

三角コーナー?
2011/4/21 (Thurs.)
 
 台所に置き、ジャガイモの皮などの野菜くずを一時的に入れるかご

 現在は排水口に水切りカゴがセットになっている仕様のシンクもある。この排水溝カゴを三角コーナーの代わりにしている家の子どもは三角コーナーを知らなくてもおかしくない。(平成生まれでは知らない方もいるだろう)
90年代後半にできた都の住宅供給公社の住宅でもこのつくりになっているので、うちの子供らは三角コーナーを使ったことがない。

しかし、排水溝が三角コーナー兼用になると、その分シンクは広く使えるが、調理中、カゴに入れた野菜くずや魚の皮を通した水が絶えず排水されることになり、下水処理施設(東京都では現在、水再生センターという名称になっている)にとっては決して良いことではない。
ウチでは野菜くず等はボールにいれておき、あとでベランダの段ボールのコンポストに入れている。