20090918男子トイレ石鹸事件


未整理






































 いかにヘタレな児童館の先生であったかという話です。










M先生へ
[修復的対話]について
 申し訳ないですが、レポートを一回斜め読みしただけで、次にレポートを探したとき(すでに年末)にはテーブルになかったのでほとんど理解してないですが、それでも観想を書いてみます。
 加害者からも被害者からも等距離をおき、両者に対する敬意を持ちながら関係修復を目的としたジャッジを進めるという手法(コレであっているのか?)には共感するが、実際的にどうなのか(ホントに可能なのか?)わからないというのが最初の感想。

(自分には比較できるプログラムとしてCAP(キャップ。ネット上で「CAP応援の頁」で検索できます)があるので、それに比べると「修復的〜」は、「ロールプレイ」の場面や「使うべきでない言い回し」や「こう言い換えたほうがよい言い方」といった」具体例がない(見落としたかも)ので、「?」なのだと思う)

が、あとから自分のこの1年の児童館職員経験を検索すると「あれは修復的対話だったのでは!?」と思える事例があったので書いてみます。

場面1
 それは2階のフロアに落ちていたレモン石鹸から始まった。
4時ころ、職員Nは2階のフロアを歩いていた。レモン石鹸が落ちていた。目の前にはたたみの座り台が3つあり、中高生男子10数人がそれぞれで黙々とゲーム機を操作していたので一瞬声かけをひいたが(職員としてはそういうわけにもいかず)「なんでここにコレ(石鹸)が落ちてるか、誰か知らない?」と少し大きな声を出してみた。皆こっちを見たが「知らない」と誰かが答え、もとの沈黙に。
場面2
 Nはレモン石鹸を元の場所に戻すべく近くのトイレに行き、男子トイレに(人がいないようだと外から見当をつけてから、それでも)「廊下に落ちていた石鹸をここに戻すからね」と声を出して入り、石鹸を戻した。すると個室トイレのドアが開き男子高校生が顔を出し「その石鹸さっきここに投げ込まれたもので、誰が投げ込んだかわかりません」という旨を話し、また個室に戻っていった。
(ここで高校生男子が水も流さず通常の服のまま個室トイレから出て、しゃべり終わると個室トイレに戻ったことを、Nはギモンに思ってもよかったのだ.>Nの阿呆)
場面3
 5時過ぎ頃に見回りに行くと、たたみの座り台の中高生男子10数人はいなくなっていたが、2階の先程とは別のトイレ近くの行き止まり状のところで、中学生男子5人くらいが寝転がったりゲームしたりケータイしたりの「たむろしている」状態にあった。
 それをNが事務室で報告すると職員Bに「そういう状態はよくないから彼らに場所を移動するように言いなさい」という旨の指示を受けた。
(彼らにしてみれば余計なことだと思いながらも、確かにトイレのそばに男子がたむろっていればトイレに入りづらい。本人たちは自分たちがその体格や人数で周りにプレッシャーを与えるということを理解してるのかどうかはともかく、そこから速やかに移動させていればその後の事件(?)は起きなかったかもしれない。(または別の場所で起きていただけの話か)
場面4
というわけで、Nがたむろってる中高生男子5人のところに行き、場所を移動するよう説得したが、彼らはなんだかんだと理屈をつけて動かない。そこへ、先程の個室トイレにいた男子高校が友人を連れて現れた。
 登場人物 男子高校生2人VS中学生男子2人 + 職員N

 男子高校生2人が「さっきトイレ(個室)に石鹸を投げたのはおまえたちだろう」と中学生5人に言いがかり(?)をつける。中学生5人は「やってねえ」「知らねえ」とうだうだと答える。ふてくされてごまかしてるようにも見えるし態度が悪い、本気で答えていないごまかしているように見える。とにかく男子高校生が問い詰める側に立っていて、中学生が袋小路側で座ったり壁にしなだれたりして構図的に立腹している高校生のほうが優位で、一触即発状態的だったが、職員がいるので(?)暴力には訴えず、中学生は自分たちがやったとは言ってないが、高校生は中学生をなじって引き上げる。
(ここでNは何も成り行きを見ていたに等しいバカでした)

場面5
男子高校生が立ち去ってから中学生が怒りだす。ふつふつとプライドが復活して荒れだす中高生。逆切れとも思ったが、怒りの矛先がNにも向けられたのでここでやっとNは「このまま終わらせたのではまずい」と気がつき(遅い!)中学生を説得して,「わかった。もう一回高校生を連れてもう一度話し合いをさせるから受付のところで待っていて」と念をおし、受付には「これから中学生5、6人が来るから帰らせずに待たせておいて」と言い、高校生を呼び戻しに走った。

Nはあわてて二人を探した。すでに高校生二人は児童館から講演をつっきった100M先の道路で、自転車でとろとろ出ようとしていた。Nは彼らにあわてて大声で呼びかけ公園を走り抜けた。(Nはこのときほどスポセンに通って体力つけていたことに感謝したことはなかった)Nは高校生二人なら説得できた。塾があるから急いでいる(彼らにはもう済んだ事項なので帰りたい)という二人に「中学生たちには終わってない。逆切れして児童館で暴れるから」とか色々説得(?)し、二人を児童館に連れ戻した。

場面6
受付の事務室には幸いにベテランC先生がいた。そこでNは「両方の話しを聞いてやってください」と、けりをつけるのをC先生に任せた。
高校生二人と中学生二人(一番怒っているのは一人)を事務室内の応接イスに応接机を挟んで座らせた。残りの中学生(怒り出した仲間のために帰るに帰れないといった様子)はスチールイスに座らせた。C先生も自分のイスを持ってきて応接机のそばに座った。

中高生は自分たちが事務室内の応接用イスに座らせられるとは思ってなかったようだ。それでもちゃんと話を聞く場が用意されたということに安心したのか、中学生が自分はやってないのにやったように決め付けられたといわれて不愉快だと思いのたけをしゃべった。高校生も言われてこういうわけでああだこうだと反論した。

高校生がC先生から「なんで個室トイレにいたの」と聞かれ、うっかりしゃべってしまったことは・・・
 「自分は(個室トイレのコンセントから)ケータイの充電をするために個室トイレにいた。(便器に座って)図書コーナーから持ってきた「火の鳥」を読んでいた。(すると、石鹸が投げ込まれた。それで怒って、「誰がコレをなげたんだ!ふざけんじゃねえぞ!」と、フロアに出て、ゲームしてる中高生の前で自分に投げ込まれた石鹸をフロアにたたきつけたので、フロアに石鹸が落ちていというわけだった。

あああそうだたのか(と、N 脱力)
小学生が男子トイレで個室に入ってる男子を「コイツ、○○○をしてるー」はやしたてるのとはちがい、高校生には高校生の長時間個室トイレにこもる理由があり、石鹸を投げた方もきっとそれを知っていて「自分も充電しようと思ったのに先を越された」ハライセに石鹸を投げ入れた(のかもしれない)と思った。

 中学生はとにかく言いたいことを言えたようでそれがわかってもらえたと認識できたようで、中学生の怒りは収まった。高校生も自分が場が用意されたことで、自分が不法なことをしていたことを言ってしまった。
(なんとなくここはC・カーネギーの「人を動かす」の法則のようでもある。)

事務室での話し合いはC先生のジャッジでお開きになった。C先生は「君たちの名前や電話も聞かないよ。聞くほどのことでもないと思うからね。」

 よかった。もし、この場を設けなかったら、中学生は壁を蹴飛ばして穴を開けるくらいはしていたように思う。
(実際に別の件で別の職員が関わった件で、怒った中学生が壁をけとばしてボコンとへこませた跡をポスターで隠しているところが館内入り口付近にあるのだ。)

この場を設けなかったら、中学生にとって「事件」は終わっていなかった、ずっとあとをひいていた。「終わらせる」ことができてよかった。

C先生がジャッジをして相手の話を整理しながら話させて聞くというのは、修復的対話かもしれないと思うのでここに書き写しました。

注 これは、ずぇったああああああああああい、職員やほかの児童厚生員の方には見せないでください。ひらによろしくお願いします。

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児童館コーナー