お迎え日記

 5年くらい前から育児支援のサポートセンターにお手伝い登録している。しかし全然お呼びがかからないので登録をやめようと思っていた。サポート会員であるためには社会福祉協議会(通称「社協」)の会員でなければならず、年間千円の会費を社協に払う義務がある。
 育児支援のサポートはあくまでも有償ボラ(1時間700円)であって「アルバイトのようにはいきません」とは言われていたが、年会費もモトが取れないのでは考え直そうと思っていたところ、私立小学校に通う小学1年生の幸人君(仮名)を駅から地元の学童保育所まで送ることになった。
すたすたと初日

おぼっちゃんタイプでランドセルが歩いているよう6/26(月)
この日のお迎えの当番はYさんだが、自分も駅に顔を出してみる。半月前に打ち合わせで会っただけなので、自分が幸人君の顔を覚えているか、幸人君が自分の顔を覚えているか心もとなかったので。
 駅で会ったYさんも同様のことを言う。「半月前に会った時の服を着てこようかと思ったけど、どの服だったか忘れてしまった」とも、「前にも他の子のお迎えをしたけれど、子どもの方が結構覚えてくれてるから大丈夫よ」とも言われる。
 
が、改札口を「あれ、幸人君?」と思う子がすたすた通り過ぎて行く。
 こちらを「どこかで見たことのある顔だ」と思ってるような感じで。幸人君だった。
改札口の下の階段を降りた地上で待ち合わせをするものと思っていたらしい。


脱兎のごとく(?)

ふみきり 6/27(火)
大踏み切りの手前10メートルくらいの横断歩道(信号なし)のところで、遮断機が下りて、車が停止していたので幸人君駆け出して渡り出す。

大人の頭なら電車がだいぶ進んでいるという空気で「今からでは(電車が走り過ぎて)遮断機が上がりはじめる前に、子どもの足で向こう側に着くのは無理かも」と即座に判断できるが、6歳児の頭ではまだ無理だった。
とにかく自分も一緒に走ってセーフ。こういうところがお迎えが必要な理由の一つだと実感。(この次は走る前に止めます)<(_ _)>深々




お迎えお待たせ

自由で有名な学校に通っているJさん6/28(水)
 この日駅に3時20分着のお迎えの予定だが、私は3時ちょうどに駅に着いた。「早かったかな」と思っていたら、階段の途中で幸人君と、同じ学校の上級生の小学生の女の子Jさんが待っていた。

 この日は学校で個人面談があり、下校時間が早く、2時に駅に着いていて、そのあとJさんが一緒に待っていてくれたそうだ。お礼を述べておきました。

←全っ然、似ていません
 Jさんという多分外国籍の同じ小学校のお姉さん。
 1時間もありがとう。
 幸人君のお母さんに連絡しておこうと思ったが、もしかして私が時間の変更を聞き漏らしたのかもと思い、/(◎△◎ι) 念のためサポートセンターに電話を入れて先に話した。こういうとき、間に第三者(サポートセンター)を置いているのが有難い。
 「当事者間だけで約束を取り付けない。」「センターを通して依頼する」ことになっているので、こういうときに「ちゃんと言った」「聞いてない」で当事者間でもめることがない。
 幸人君のお母さんは働いてる人で昼夜とも自宅の電話はなかなかつながらないそうだ。働いてる時間にケイタイに連絡いれるほど重要事項ではないので、センターのほうから自宅のお母さんにつながるまで数日電話をかけてつかまえて伝えてくれたので助かる。
 やはり彼のお母さんが、この日下校が早くなるのを見落としていたためだった。私も後でメモを入れてJさんのサポートも伝えておいた。



にこっ
オバサンとも○○さんとも言いませんねえ彼は
6/30(金)

駅で幸人君の方から気がついてくれた。
 しかし、彼は私に「オバサン」とも「○○さん」とも言わない。いったいどういうふうに彼の中では登録されているのか。毎日お迎えに来る人たち(Yさん、私、お祖母さん)のなかの一人、という感じか。

帰りにパン屋のテラスでコーヒー(無料)を飲んでいたら、先日のJさんが通りかかり、頭を下げてくれたので、あわててこちらも頭を下げる。


 15分のボヘミアン

6歳児の社会性を見た なんつって7/7(金)
 幸人君はいつも駅の近くの植え込みに生えてる雑草からネコジャラシを一本取って持ち歩き、学童が見えると捨てる。この日は帽子のリボンにネコジャラシの茎を結び、スナフキンのようにしたが、、やはり学童が見えると、とって捨てた。6歳児の社会性。

「のど かわいた」と珍しく訴える。
シュタイナー教育を幸人君に受けさせているお母さんが自販機から缶ジュースを買うとは思えないが、お祖母さんは買ってくれるらしい。
学校の通学中に自販機でモノを買うのもどうかと思い、公園まで迂回して水道の水を飲ませた。
ランドセルはびっしり詰まっていて重かった。



[つかの間できたバッタの原]
地図は変えてあります7/11(火)
 前回ほど暑い日ではなったが再び「水飲みたい」に備えて、自宅で煮出した麦茶と氷を水筒に入れて持っていく。

幸人君は麦茶2杯飲んで元気になり、ランドセルの中身も金曜の半分だったせいか、バッタ取りにはまる。

駅前の再開発で取り壊しの建物があり、つかの間できた空き地に雑草が茂り、ショウリョウバッタがいる。
「ふくろ、ちょうだい」と当然のように言われて、デイバックに常備しているビニール袋をあげたら、10匹は捕まえた。学童では下駄箱にビニール袋のまま入れておき、もち帰ったようだ。 
 ショウリョウバッタ
 精霊(しょうりょう)流しの頃に成虫になることからこの名前がついている。コメツキバッタとも呼ばれる。(ARA辞典より>荒川流域のポータルサイト
(私はちゃんと「そんなのもって帰ったらお母さん怒らない?」と確かめた、念のため。「何で怒るの?」と言う感じの返事なので大丈夫らしい。私はショウリョウバッタと云う正式名称を幸人君からはじめて聞いた。本日のトリビア)

バッタ取りは私もはまりそうになる。が、幸人君がバッタを追いかけて道路に出ることがあるのでやめた。自分も遊ぶと、幸人君から目が離れるからダメだ。

駅にはツバメの巣がいくつかあり、その一つには多分巣立ちが近いだろうヒナが顔を出していた。



 バッタ

待つのが仕事7/14(金)
バッタを取るのを待っている自分。

 これが自分の子だったら、多分「早くしろー!」「犬のフンがあるかもしれないから、いい加減やめろー!」と、やいやい言っていたかもしれない

もともと子どもの足で15分の道のり(駅での待ち時間含まず)のお迎えに700円の謝礼をもらうのが申し訳ない。
(サポートセンターの決まりで 1時間単位になっているのは、幸人君のお母さんも承諾済み)

 15分の道のりが30分になるくらいどうということもないので、とにかく待つ。(有償ボラの余裕)





 ビデオ店

待つのが仕事 7/18(火)2時半お迎え 雨のため幸人君、駅に3時近くに着。
レンタルビデオ店でポスターの間から中をのぞくこと5〜10分間くらいか.
幸人君は自宅では親の方針によりビデオ、DVD、テレビを見れない(一駅おいた祖母宅では見れる)境遇なので、ビデオに興味あるけれどもどこか自制しているという感じ。

通行人や客の邪魔になるような行為でない限り待つことにしている。

「幼稚園のときから数えて4回目の夏休みだよ」と話してくれた。



 夏休み明け

待つのが仕事
k 2006/9/5(火)

電車が到着する。わさわさと第一陣がでてくる。だんだんと人数が減ってくる。
その最後尾に同級生と二人でふらふらと出てくる。

 列車の先頭車両にでも乗っていたのか、あいかわらずマイペースだった。

この日は「駅から15分の道のり」が、本屋で立ち読みし、水飲み場で遊び、束の間の原っぱでぼーと立ち止まるで、たっぷり1時間かかった。


書店

子ども本の一角に「ご自由にお読む下さい」というピンクのガムテープでふちどられた箱があったのさ。幼児向けの小さいつくりの本やカード型のが入っていた
k 2006/9/7 (木)
幸人君は生まれるのがあと1、2か月遅かったら、今はまだ幼稚園年長さんだ。

書店の「母と子のアニメ絵本」が気になるお年頃。
立ち読みの習慣がついては困るー!と思うが、駅のフロアにある書店には子どもの本はわずかしかないので早々に飽きるだろうとも思う。

「1冊だけだよ」と始めに言いながら、結局3冊読む。
恐竜の絵をカード式に綴じてある本も見たのでやはり1時間かかる。


最後のお迎え

お母さんにまちがえられたが本人は意味がわかってなくてきょとん
k 2006/9/8 (金.)

高校野球ではハンカチ王子が人気。

こちらはマイペース王子様というか、おっとり王子様というべきか。

改札で同じ時刻に見かける多数のJ学園の小学生のうち一番小柄なのが幸人王子様。

私は自動販売機のお茶は買わなかった。立ち読みは許しても小学生が学校の帰りに自販機のお茶を飲むのは認めないというのが送り迎えをしてわかる自分のぽりすぃだった。(笑)
9/8 
幸人君は学童保育所につくと、校庭に出るところの先生の背中に向かって「先生ただいま」と声を出したので、学童は上手くいってるんだなと思ったら、その日の夕方サポートセンターから「幸人君が来週から学童に行かないといってるので今後のお迎えは全部キャンセルになりました」と電話があった。
 あちゃー。
 私に何か落ち度があったか?
〜あの「お迎えの人」は寄り道ばかりするのでここはいったん学童に行かなくなったということで一度キャンセルをして、頃合を見計らって今度は別の人に学童までの見送りを頼みたいとか〜イヤな想像もしたが(いやだってその日は「先生ただいま」と言ってたわけだし、学童が嫌そうなそぶりは全然なかったので深読みしたわけ。
 しかしそれならウチに3日分のサポート料2100円をすぐ払いに来るはずだろうと思うが、その翌日電話に出た彼のお母さんの話は立てこんでいるので(幸人君のことで?)しばらく払いに行けそうになくてすいません、短い間でしたけどありがとうございましたと謝意を述べるので、ホントに私とは別のところで何かあったと思われる。
 幸人君は私立学校に行きながら、本来自分が通うはずだった公立小学校の敷地内にある学童保育で放課後を過ごす。そこの小学生となじめているのか、いじめる子がいるのではとも思った。(これは私が公立側の小学生だったらそうしないとは限らないと思うので。私は小学生のある時期、ルサンチマンの塊だったから。)


家族そろってごあいさつにみえられた

  2006/9/17 Sun)
一週間後、サポート料金とサポートセンターへの報告書3回分を持って幸人君のお母さんがウチにみえた。

一週間様子を見ても幸人君が学童に行かないので、親として学童復帰をあきらめたということだろう。代わりに私立小の近くにある祖母の家ですごしている。(今までも学校の帰りの遅い水曜は学童に行かずにそうしていた。)
 6歳児にとって私立小に電車通学のあと、地元の学童保育に通うのは体力的に限界だったもよう。

7月末に1度同様に払いに来ているので、お母さんだけが来ると思ったら、幸人君と旦那様も一緒で、今までありがとうございましたとちゃんと別れの言葉を述べていった。立派。恐縮。幸人君は笑顔だったのでよかった。
集合住宅のウチの前の植え込みには丈2mは越しているひまわりその他が生えている。フウセンカズラも植え込みに出張っている。どう思われただろうか・・・。


k's page - 2