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k 2004/5/19 (Wed.)
新聞に、米兵のイラク人被拘束者虐待問題の関連で、ジンバルドの囚人実験と、ミルグラムの電気ショックの実験(どちらも70年代実施)がアメリカで、改めて注目されているとあった。
どちらの実験も普通の市民が環境次第で、簡単に悪いことをしてしまえるという証明をした(と、思う、単純に言えば。だから、イラク人被拘束者虐待は特別な少数の者による行為ではないと。)
なつかしい。(大学で社会学や心理学をかじった人なら知ってる。)
社会学の実験は、実験台になる人をまず、だますことからはじめる。
「こういうアルバイトがあるからやらないか」と持ちかけたり、広告で募集したりして、ちゃんとお金を払って雇い、実験台にする。
肝心なのは本人(実験台)は自分はただのアルバイトだと思っている点だ。
ミルグラムの実験では、実験台になる人はこんなふうに説明を受ける。(たぶん。)「『テスト問題で間違えるたびに、電気ショックという罰を用意することに協力してほしい。痛みという罰とその後の成績の相関関係について実証する実験をするから協力してもらいたい」とかなんとか。
で。じつはサクラで俳優のニセの実験台がガラスの向こうでテストを受けて、時々、間違える、アルバイトの真の実験台は、そのたびに電気ショックのスイッチを押さなければならない。
ニセの実験台は迫真の演技で電気ショックに苦しむふりをする。
真の実験台は、ニセの実験台が問題を間違えるたびに電気の電圧を上げていかなくてはならない。
ガラスの向こうの実験台が自分のスィッチで苦しむ。これ以上電圧を上げると死んでしまう。でも、真の実験台の近くには「白衣」の監督官がいて「命令」する。
実験を企画した学者達の予測を大幅にくつがえして、被験者になった人々の大半が最後まで電圧を上げたそうだ。
新聞には書いてなかったが、たしか、これ監督官に「これ以上できない」と、途中で拒否した人がいたはずで。その人の職業というのは確か......なので「おおっ!さすがだ!」と思った覚えが。
今になってみると少し複雑な気がする。現在、その職業にも、スキャンダルな犯罪による摘発がないわけではないので。
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